スタッフの声(日本動物高度医療センター)スタッフの声(日本動物高度医療センター)

​​伝えることで人を前向きにしていく

​獣医師 赤松 大

​​​​JARMeC入社3年目。写真家という異色のキャリアを持つ獣医師。2021年度から医長となり、人を育てていく立場へ。

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​何を伝えることができるか​

私の経歴はちょっと変わっているかもしれません。獣医学部を卒業したあと、東北で活躍されていた写真家の元へ3年間ほど弟子入りして活動していました。「何かを伝える仕事をしたい」漠然とそう思っていて、自分の感性を育てる時間がほしかったんです。1度普通に就職してしまうと、元には戻れなくなると思ったので。 森や川原をフィールドに過ごす野外活動家は、犬と共生している人が多く、私も自然と犬と暮らしたいと思うようになりました。そして念願の出会いを遂げた私は、どこにでも犬と共に出かけてゆきました。一緒に過ごし始めると、「飼う」という感覚ではなく「出会って色んな時間を共有していっている」という感覚でした。動物は人の暮らしを彩り豊かにしてくれる存在なのだと実感して、動物とかかわることで社会や自然に対して気づくことが多くありました。 「動物と暮らすことがもっと日常の風景になってほしい」って思いつつ、動物を飼う人々が不安に思うことに面と向き合っていく仕事がしたいと思うようになりました。 「あれ、そういえば自分は獣医師というカードを持っていたじゃん」とそのときに思い出しました。

​​飽くなき探究心

その後獣医師として11年間、都内の動物病院で働き、あらゆる病気に関わり医療とホスピタリティを追求する日々を、がむしゃらで走りました。誠心誠意を尽くそうとしても、その方法は獣医師の立ち位置によって様々であり、治療のゴールも患者さんごと全て違います。私にとってこの年月は、動物とそのご家族の間に立ち続ける覚悟を育む、大切な期間でした。 そして、さらに自分ができることの幅を広げたい。そう思って以前から考え方に共感していた先生がいる、九州の大学に研修医として飛び込みました。獣医療って教科書を見れば治療法が書かれています。でもその治療法がベストかと言われると、もっとよい方法があるのではないか。今まで正しいとされてきたものにとらわれず、常に治療法を探究して実践している様を見て、内科・外科関係なくありとあらゆることをその先生の元で吸収しようとしました。 その時既に家族がいた私は、デッドラインを設けて東京に戻ることを決めていました。やりきった先に浮かんだのは、思いっきり臨床をしたい、役に立ちたいという気持ちでした。東京に戻ったら次どうしようか考えていたとき、出会ったJARMeCの先生から「病院を強くしたい」という想いを聞き、うちに来ないかと誘われ入社することを決めました。

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​​医療の質を高める

シンプルにいい医療をしたい。JARMeCをいいなと思ったのは、そこに全力で向き合える環境があったからです。各科のプロフェッショナルの先生がいて、動物をいつも第一に考えてくれる動物ケアスタッフさん達がいます。医療機器も揃っています。あとは更にどう「質」を高めていくか。そこにフォーカスして働くことができています。それはたとえば、「別れ際」という場面もそうです。動物とご家族の絆が最も大事ですから、ご家族と共に話し合った結果、治療を断念してお返しする、お亡くなりになってお返しする別れもあります。そのとき、飼い主様がただ悲しい、辛い思いをして帰っていくのか、それともその気持ちに向き合って、この先の人生をポジティブな気持ちで歩んでいけるのかは、私達が目の前で起きていることから目を背けずに向き合い続けることが大事だと思います。ただそばにい続けることしか出来ない時もあるかもしれない。それでも、全力で向き合って下さる気持ちに全力で答えてゆきたいです。 病気を治すことだけでなく、そういうところまで考えて行動することも、「来てよかった」「紹介してよかった」と思っていただける質の高い病院になれる要素の1つであると思っています。

​​チームで戦う医療で社会を良くしていく

JARMeCの診療に対する姿勢はまさにチーム医療だと思います。診療を支えるスタッフも病院や働く環境を支えるスタッフも全員が一丸となって戦っています。  これまでの先輩方が築いてきた、二次診療として使命を果たしてゆくための専門性や信念をもって取り組む土壌に、枠組みに関わらずそれぞれがいいものを持ち寄り高め合ってゆく芽が育ってきていると感じます。そんなJARMeCでは、どんな獣医師でも自分の居場所を見つけることができると思います。私は3年目の今年、所属する診療科の医長という立場になりましたが、皆がより力を発揮できる環境を作っていきたいと思っています。これからJARMeCで働きたいと思っている獣医師の方は、胸の内に理想や夢をぜひ抱いて来てほしいなと思います。自分が持っている知識や経験も惜しみなく伝えていきたいです。 この先JARMeCは、動物医療の二次診療を担うという軸は変わらないと思いますが、我々はそれだけはなく、もっと1次病院に貢献できること、地域や自然にできることなど、まだまだたくさんあると思っています。会社・病院としてもう少し背伸びしたビジョンを描いて、そのビジョンに向かってスタッフ全員が同じ方向を向いて働くことができれば、より社会から必要とされる組織になっていけるのではないかと思っています。

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